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コールセンターとコンタクトセンター: その違いは?

コールセンターとコンタクトセンターの間には違いがありますが、両方とも顧客体験に焦点を当てています。クラウドベースのコンタクトセンターの進化について説明します。

コンタクトセンタービジネスヘッド、Al Cook

コールセンターとコンタクトセンター: その違いは?

多くの企業にとって、コールセンターはカスタマーサービスの中心です。顧客が支援を必要として電話してくる場所であり、販売員が販売のために電話する場所です。従来のカスタマーサービスモデルは主な連絡方法として電話サポートを使用するため、これを「コールセンター」と呼びます。しかしながら今日では、コールセンターのオペレーターは、さまざまなチャネルを使用して顧客とやり取りします。このため、コールセンターはコンタクトセンターへと進化しました。

この記事では、レガシーのオンプレミスシステムに基づく従来のコールセンターと、最新テクノロジーが使用された近代的コンタクトセンターの違いを検討します。

コールセンターとは?

従来、コールセンターとは、多数のオペレーターが電話でカスタマーサービスを提供するオフィスでした。着信側コールセンターは、カスタマーサポートの電話を受け、頻繁に技術サポート、請求に関する質問、その他のナレッジベースとして機能します。これらのコールセンターは、迅速な解決時間とオペレーターの生産性に焦点を置きます。発信側コールセンターでは、オペレーターは電話を受けるのではなく、電話をかけます。これはたとえば、営業上、マーケティングオファー、アンケート、資金集めのリクエスト、債権回収の電話などです。

「コールセンター」という用語は顧客に、長々と待たされた経験や、必要な回答を決して得られないインタラクティブ音声応答(IVR)システムでのたらい回しを思い起こさせます。非常に多くの顧客がこれらの電話でひどい目にあったため、コールセンターには悪い評判がついて回ります。しかし、レガシーの電話システムが新しいデジタルテクノロジーに代わり、コールセンターが進化してきています。

コンタクトセンターとは?

「コンタクトセンター」という言葉は、電話以外にも多数の方法で顧客と繋がることができることを反映しています。高まる顧客の期待と、多くのコミュニケーションチャネルを可能にする新しいテクノロジーにより、従来の、何十年も前から続くコールセンターモデルに変化が生まれました。消費者はビジネスに連絡するためにより多くの方法を求め、企業は顧客体験を向上する新しい方法を求めています。

一般的にコールセンターのオペレーターは、従来の電話回線やVoice over Internet Protocol(VoIP)で電話の着信と発信に焦点を置いていますが、コンタクトセンターのオペレーターは広範な種類のコミュニケーションを処理します。たとえば、マルチチャネルコンタクトセンターでは以下が発生します。

  • テクニカルサポートは、アプリ内チャットやビデオで提供されます。
  • 注文ステータスアップデートは、SMSで提供されます。
  • イベントプロモーションは、プッシュ通知で送信されます。
  • アンケートは、Facebook Messengerで展開されます。
  • メールで受信したセールスに関する問い合わせは、電話連絡のためにオペレーターに直接送られます。

通常企業は、コンタクトセンターと顧客関係管理(CRM)システムを統合します。そこでは、組織と顧客の間のあらゆるやり取りを容易に追跡、調節、管理できます。

コンタクトセンターが直面する課題の1つは、インフラストラクチャとエコシステムに応じ、多岐にわたる複雑なコンポーネントが混在する可能性があることです。これは、企業が複数のベンダーからすぐに使用できるシステムや高度にカスタマイズされたテクノロジーのネットワークを購入した場合に発生します。一部の企業では、クラウドベースのソリューションをいくつか採用しても、コンタクトセンターが企業のその他のシステムからサイロ化したままであり、コミュニケーションがとれないことがあります。(この課題の解決策については以下でご紹介します。)

コールセンターとコンタクトセンターの違い

コールセンターとコンタクトセンターの違いは、それぞれが使用するチャネルです。コールセンターは従来の電話システムを使用しますが、コンタクトセンターは顧客が今日企業に連絡するために使用する多くの(通常はデジタルの)チャネルを使用します。

顧客は現在では、拡大し続けるチャネル、コンテキスト、デバイスのネットワークを通じてブランドからサービスやサポートを受けることを期待しています。SMSからSnapchatまで、顧客は友人とコミュニケーションをとるように企業と繋がることを期待しています。そして顧客は、そのために料金を喜んで支払い、そのような待遇が得られない場合には、別の企業へと移ります。

コンタクトセンターはこのオムニチャネルアプローチを提供し、顧客のリクエストが技術上の問題でも新しい注文でも、チャネルにかかわらず解決までの時間を短縮します。これは非常に重要です。なぜなら、最終的に、応答時間が企業の収益に影響するからです。アンケートによると、より優れたカスタマーサービスを得るために、顧客の86%はさらに高い値段を支払っても構わないと考えていることが分かりました。実に顧客は、13%~18%増しの価格を支払っても構わないと考えています。だからこそ、企業の88%がコンタクトセンターでの顧客体験を優先しているのです。

それではなぜ、多くの企業がコンタクトセンターを次のレベルにもたらす試みに失敗しているのでしょうか?

ほとんどのケースでは、企業が変化するユーザーの行動や新しいチャネルに対応したいと希望していても、既存のインフラストラクチャがそれを押しとどめています。しかしこのことは、さらに多くの企業がカスタマーサービスのためにクラウドベースのソリューションを導入する中、ゆっくりと変化しています。Dimension Dataによると、現在、組織の36.3%がコンタクトセンターにクラウドソリューションを使用しており、一年後にはこの数値は71.9%まで上昇すると予想されています。

従来のコンタクトセンターのインフラストラクチャ

多くの企業は、約10年前に設計された製品を使用してコンタクトセンターを構築しました。これはデジタル時代の一生涯にあたります。たとえば、2009年に使用開始されたシステムは、おそらく2007年に見積依頼(RFP)とベンダー評価が行われたでしょう。コンタクトセンターのハードウェアとソフトウェアの製品開発サイクルを考慮すると、選択されたベンダーにより2007年に提案された製品は、おそらく2004年に初回リリースされたものであり、そしてその最初の設計はその5年前でしょう。

このようにして多くの企業は現在、老化し続ける高費用のかかるインフラストラクチャという罠にはまり、進化を妨げられているのです。現在配置されているコンタクトセンターシステムのインストールとカスタマイズは高価だっただけでなく、長い時間がかかったため、企業はシステムを更新することに気乗りがしません。

IVRに電話した際に、「メニューオプションが最近変更されたため、注意してお聞きください」と流れ、しかしメニューオプションは実際には長い間変化していない、ということを何度経験しましたか?これは、ほとんどの従来のIVRシステムを変更するには、それが非常に小さな変更でも、平均して9カ月の専門作業を必要とするためです。

そのような状況では、コンタクトセンターで実験し、繰り返し、改善することが困難です。同時に、新しいテクノロジーやコミュニケーションチャネルが日常の一部になるにつれ、顧客の期待は急速に変化し続けています。老朽化するインフラストラクチャが顧客や顧客が使用するコミュニケーションテクノロジーに対応できないと、その結果顧客やオペレーターが不満を感じるだけでなく、時間とリソースが浪費されてしまいます。

最新のコンタクトセンターソリューション

今日では、従来のコールセンターに対する新しいアプローチが登場し、競争が熾烈化する市場で顧客を獲得するために必要なリアルタイムのカスタマーサービスを実現できるようになりました。通信会社ベンダーのすぐに使用できるシステムやモノリシックな機能セットを持つ融通のきかないシステムを受け入れる代わりに、この敏速なコンタクトセンターソフトウェアのアプローチを使用することにより、企業は必要に応じて正確に必要なソリューションを構築できます。このアプローチは最新テクノロジーの提供にとどまらず、コンタクトセンター運営の設計と構築の方法を新たに創造します。

コールセンターの進化を促進する主要な要因は2つあります。デジタルイノベーションとそこから生じる顧客行動の変化です。2020 Dimension Dataレポートによると、大半の組織は8つの異なるチャネルで顧客とやり取りしており、23.2%が、オムニチャネルアプローチは顧客ジャーニー設計戦略の促進要因だと言っています。

顧客は、電話SMSFacebook Messengerなど、希望のチャネルを使用して企業と連絡したいと考えています。デジタルチャネルの普及は、コールセンターの重要性を低くするものではありません。むしろその反対です。人々は、向こう側にいる人間相手のやり取りを望んでいます。

パーソナライズされたサービスを受けていると顧客が感じることができるようにするには、統合がカギです。IVR(またはオペレーター)が顧客ジャーニー(閲覧したページ、購入した製品、請求状況など)を把握することにより、顧客体験が大きく向上します。

APIベースのコンタクトセンターソフトウェア

それでは、企業が顧客にとって最良のコンタクトセンターのサービスを生み出すにはどうしたらいいでしょうか?その答えはアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)にあります。APIは、開発者がソフトウェアアプリケーションを作成するために使用する、ルーチン、プロトコル、リソース、ツールです。APIは、データとデバイスの間で通信します。これはソフトウェアコンポーネントがインタラクトする方法であり、今日私たちがオンラインで行うあらゆるものの基礎となっています。

APIベースのソフトウェアを使用すると、複数のチャネル(電話チャットSMS、IVR、メールソーシャルメディアなど)でリアルタイムのカスタマーサービスが可能になります。自動コールディストリビューター(ACD)として機能し、複数ソースからのあらゆるタスクをルーティングできます。コンピューターテレフォニー統合(CTI)WebRTCを使用し、会話のコンテキストを維持して適切なオペレーターにルーティングします。

TwilioのProgrammable APIなど、コミュニケーション構築ブロックを使用してコンタクトセンターを構築する際には、必要なチャネルと機能を選択し、後で必要に応じて拡大できます。さらにAPIは、希望通りのカスタマーサービスを構築する柔軟性と、IVR、コールフロー、その他のコミュニケーションを反復して適用する自由をもたらします。

さらに、市場の新しいオプションであるプログラマブルコンタクトセンタープラットフォームもあります。APIをベースとしながら、このコンタクトセンターはすぐに展開できます。すぐに使用できるものの機能が限定された他のコンタクトセンターソリューションとは異なり、プログラマブルコンタクトセンタープラットフォームでは、スタックのあらゆるレイヤーをカスタマイズできます。これにより企業はすぐに使用できるコンタクトセンターを購入することも、完全にカスタマイズされたサービスを構築して現在や将来のビジネス上の目標を満たすこともできます。

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